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弊社のロングセラー商品の源をたどるコラム。
第1回は「純米吟醸熟成酒 豊醸」編です。

 

 

生き残りをかけた模索

 

昭和50年前後をピークに日本酒は総生産量で減少に転じ、業界ははっきりと右肩下がりの「衰退産業」と言われるようになっていきました。
昭和の高度成長時代、大量生産、大量販売を強みに大手酒造会社が全国のシェアを奪い、地方のメーカーは廃業するか、大手に桶売りする下請けに転じていきます。
ギフト需要も、ビールやウイスキーが優位に立つようになりました。

 

 

たどり着いたのは基本に忠実な造りの徹底

 

そのような状況の中、生き残る方法を模索。
たどり着いた結論が、いままで歩んできた「酒質第一主義」を徹底すること。それを実現するための伝統的な道具と方法による、大手では絶対に真似ができない酒造り。
「小」に徹した酒造りでした。

 

 

豊醸の名に恥じない当社の姿勢を表現できる本気の酒造りを

 

そしてそれを具現化する商品を考えた時に、思い当たったのが、今では顧みられることがほとんどなくなったけれど、知多半島に大きな足跡を残した「豊醸組」。
明治時代後期の当時、経費を使いその醸造試験場を当社に設置。大蔵省醸造試験所より、江田鎌治郎技師を招聘し、現在日本酒造りのスタンダードとなった酒母造りの方法の開発に成功。その結果できた酒を当社が「豊醸」と名付けて発売し、全国で高く評価されました。

その名に恥じぬ本気のお酒を商品化しよう。
量は造れないけれど、伝統的な道具と方法による、手を抜かない本気の造りは、きっとお客様に喜んでいただける。
そう思い至り、当社の歩んできた歴史、酒造りに対する姿勢、地域の特性などを表現できる高品質酒の開発に取り組みました。

当時日本中を席巻した地酒ブームとは一線を画した「豊醸」は、高度成長が落ち着き、世の中が成熟に向かう中で本物を求める層に大きなインパクトを与えることになりました。

 

 

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豊醸組醸造試験場について

 

白老酒季番外編
〜吟醸造りの源流は知多半島にあり!?〜
コラムに触れて

 


純米吟醸熟成酒 豊醸

IWC(International Wine Challenge)2023 古酒カテゴリー【Bronze】受賞
全国燗酒コンテスト2019 プレミアム燗酒部門【最高金賞】受賞

白老伝統の手造りの特徴が活かされた本格派。
二年以上の貯蔵により醸しだされたなめらかさ、口中に広がるどっしりしたうまさ、余韻をかすかに漂わせながら消えていく軽やかさなど、味わい深くキレのある純米吟醸酒です。
開栓後すぐお召し上がりいただくのも良いですが、しばらく置いて空気に触れさせてからお召し上がりいただくと、豊醸本来の味わいや香りの深さをお楽しみいただけます。
常温から燗でお召し上がりいただくのがおすすめです。
温度の変化によって味わいが変化していきます。