白老酒季120号
□薫風 〜社長便り〜
□HIDE AWAY 〜酒蔵お婿さん通信〜
□会長だより
「明治時代の知多酒9 第二回全国酒屋大会名古屋大会」
Vol.40「2024BYの新酒、まもなく販売開始いたします。」
いつまでも夏のような暑さが続いた今年の秋ですが、季節は確実にめぐり今年も黄金色の恵みをいただき、お酒造りが始まりました。 いつも白老のお酒をご愛飲いただきまして、誠にありがとうございます。
とはいえ、最近では、梅干し造りもはじめたり、梅シロップや酒器まで販売したりと、お酒は飲まない方にもお客様になっていただき嬉しい限りです。(澤田家はとてもお酒が弱いので飲めない人の気持ちがよくわかります。味はしっかり分かりますのでご安心ください。)
先日、日本酒や焼酎、泡盛などを造る技術「伝統的酒造り」について、ユネスコの評価機関が登録を勧告したことがニュースとなりました。
これは事実上の登録を意味しているので、酒造業界にとっても大変嬉しいニュースなのです。
ここ地元愛知県の発酵食文化の推進の動きと相まって、多くのかたに日本酒の魅力が届くことを願っています。
さて、お待ちかねの新酒はまずは、地元産の酒米で毎年人気の2種類「初しぼり」と「若水純米しぼりたて生酒」から発売となります。
今年はどんな味に仕上がっているのでしょうか。
私もとっても楽しみです。
その他紙面の中では、年末年始の贈答シーズンにおすすめの高級酒、新商品「知多の夢風」、贈答用ギフトセットなどをご紹介しております。
また、新酒頒布会や酒粕のご予約情報も掲載、自家製佐布里梅の梅干しや梅酢もご購入いただけます。
また、本年も、豊橋の老舗「ヤマサちくわ」さんの年末のパンフレットを同封しています。
当社のお酒もご紹介いただいております。年末年始の練り物にぜひご検討くださいませ。
今年も残すところ二か月を切りました。
どうか皆様の今年一年の締めくくりが、穏やかに素晴らしいものになりますことを心より祈念しています。
心から平和を願って。
2024年11月吉日
澤田酒造株式会社 澤田 薫
今年も順調にお酒造りが進んでいます。新酒をお楽しみに♪
Vol.64「音楽と日本酒の祭りに、DJとして鮫肌文珠さんが登場して」
先日、東京日本橋にあるヤマザキショップ上総屋様
(コンビニだけど商品数はレコードの販売数の方が多く、DJブースもある「レコードコンビニ」として音楽ファンからは有名)
で毎年開催していただいている『聴酒祭』が行われました。
主催のsakenrockご夫妻が民謡からヘヴィメタルまでジャンルレスで凄腕のDJをお呼びし、世界でも類を見ない音楽と日本酒の祭りです。
このお祭りに、DJとしてパンクバンドも率いる私の尊敬する放送作家の鮫肌文殊さんが参加されたのです。
鮫肌さんを知ったのは私が中学3年生の頃、私が形成されていく中で一番影響受けた作家の中島らもさんのコラムでよくお名前やエピソードが掲載されていたのでずっと気になる存在でした。
放送作家として参加された、おしゃれイズム、ぐるナイ、電波少年、世界の果てまでイッテQ、報道ステーション、さんまのからくりTV、ジャンクスポーツ、ボキャブラ天国等、ここには書ききれないくらい斬新な名番組を担当されています。
私が各SNSで白老を発信するアプローチのお手本となったのが、鮫肌さんもよく取り上げられていた中島らもさんが監修していたカネテツデリカフーズの広告「啓蒙かまぼこ新聞」。
従来の広告の観念を逸脱し、練り物を食べなかった世代にアプローチし、ローカルメーカーだったカネテツの名が全国で知られるようになった名広告。 めちゃくちゃ間接的ですか本家にほんの少し近づけた瞬間でした。 これからも日本酒愛好者拡大の為に少し違ったアプローチを続けていきます。
その四十六
明治時代の知多酒9 「第二回全国酒屋大会名古屋大会」
明治24年6月10日より名古屋で第二回大會が開催された。
内外から関心が高く出席者代表、傍聴希望者共に申込みが多数に上ったため、当初の会場予定地であった西別院では入りきらず、急遽名古屋市役所議事堂に変更された。
しかし「議場狭隘なるにあらざれ共、何分三府三十二県の代表者或は傍聴人にて二百有餘名も入込みたる故、終に傍聴席までも議員席となり、傍聴人は終日佇立して聴くと云ふありさまなりき…」という状況で、ついには営業者以外の者には「傍聴を謝絶」したほどであった。
豊醸組からは出席委員として選ばれたのは15名であったが、このように出席者が俄かに増加したこと、各府県代表者との議権平衡を保つため、頭取以下各部取締を傍聴員としている。
このように2月に全国酒屋有志会で決定後、時間のない中で「愛知県酒屋談話会」に準備を託された中で、豊醸組も大いに協力し実質的には主導している。
5月26日の臨時総会で「其の委託を盡す爲め、準備委員五名、大会出席委員十五名を定め、及ひ其の経費を議定せり、右に就き六月六日準備協議のため、稲生治右衛門、伊東七郎衛、天埜伊左衛門、山盛岩太郎の諸君名古屋市に会し、愛知県酒屋懇話会事務長竹内善七君、名古屋市酒類組合頭取久保吉兵衛君、海東西郡酒造組合頭取吉田甚平君其の他二三諸君とともに大会議場及び懇親会の準備法案を決し、天埜伊左衛門君その実行の任に当たることを諾せられたり…」(豊醸組資料)と初めて尽くしの全国的大会の成功に向けて大わらわであった。
「その委託を果たすために、準備委員5名と大会出席委員15名を定め、その経費についても議決した。これに関連して、6月6日に準備の協議を行うため、稲生治右衛門、伊東七郎衛、天埜伊左衛門、山盛岩太郎の諸氏が名古屋市で会合を持ち、愛知県酒屋懇話会の事務長である竹内善七氏、名古屋市酒類組合の頭取である久保吉兵衛氏、海東西郡酒造組合の頭取である吉田甚平氏、およびその他の数名とともに、大会議場と懇親会の準備方法について決議した。天埜伊左衛門氏がその実行を担当することも承諾された。」
肝心の大会の中身であるが酒造組合沿革史によると「この会合は大会の形式を整備したことにおいて、最初の記録であり、また最も重要な史実であるが、その詳細なる記述は『醸造雑誌』大会号特別付録が欠如して発見し得ず、九仭一簣の憾みに耐えないが…」とある。
半田酒造組合資料に田中恵美蔵筆記の「全国酒屋大会議事録」を見つけたので、次号にその中から抜粋して内容を記述したい。
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