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白老酒季119号

□薫風 〜社長便り〜
□HIDE AWAY 〜酒蔵お婿さん通信〜
□会長だより
明治時代の知多酒8
「第二回全国酒屋大会開催前に…」


 

 

 

Vol.44「第3回 ハクロウこども夏まつり を開催いたしました」 

 

今年も毎日大変な暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
このたびの大雨災害において被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

今年の夏はなんといってもパリ五輪。
熱戦が続き寝不足気味になりましたね。

私たちの注目はもちろん、女子バスケットボール。
原稿を書いている時期はまだ初戦が終わったところですが、チームの支柱でもある髙田真希さんの大活躍の姿には今年も勇気をもらっています。
髙田さんが応援する「佐布里梅」の梅干しは、連れて行ってもらえたかな、など思いながら私たちも最後まで日本チームを応援したいと思います!

梅干しといえば、今年は漬物製造業免許を取得しての初年度。いよいよ天日干しの工程がはじまりました。ちょっとつまみ食い(失礼)したところ、これが本当に美味しいのです。お日様の力でさらに美味しい梅干しになるように最後まで心を込めて作ります。9月から直営店等での発売を目標にしています。HPやSNSなどでご案内いたしますのでお楽しみに!

先月夏休みになったばかりの土曜日には、恒例となった第3回「ハクロウこども夏まつり」を開催いたしました。仕込み水のプール・ミスト・かき氷など納涼の仕掛けを用意したり、地域のボランティアやお店の方にご協力いただき、射的や水風船釣り、駄菓子屋さんやフランク、バルーンアートなどを楽しんでもらいました。
中でも今年は、地元の小学校6年生によるハクロウ歴史紙芝居の上演もあり、子供にも大人にもとても喜んでもらうことができて有意義な時間になりました。地域に根差した酒蔵として学校と地域の架け橋になるべく、今後もこのお祭りを続けていきたいと思います。

7月上旬には、直営店のリニューアルオープンもできました。新しく「さかふね」というテイスティングルームができました。
ここでは、常滑焼の酒器で一杯飲める角打ちも土曜日中心に営業していきます。また、二階には白老の歴史資料の展示室もできました。

9月下旬からは、豊醸組資料展と澤田酒造歴史展を始めたいと思います。こちらは営業中であればいつでもご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りの際にはご覧くださいませ。

そして、酒蔵の仕込み水の水汲み施設も屋外にできました。
無料ですので、多くの方にご利用頂ければ幸いです。

さて、今月号では秋の季節の日本酒である「若水純米冷やおろし」をはじめ、「豊醸」など秋の味覚を彩るおすすめの日本酒や新登場の美浜町産グレープフルーツリキュール、そして酒器セット「ささらけ」をご案内いたします。
また、第3木曜日である9月19日(木)からは白老梅ヌーボーが解禁となりますので、今年の梅酒の味わいをぜひご賞味くださいませ。
なお、佐布里梅の梅シロップは予約でほぼ完売しておりますので、発売日以降はお取り扱いの販売店様でご購入くださいますようお願い申し上げます。

それでは、まだまだ猛烈に暑い日が続くと思いますが、熱中症に気を付けてどうかお元気でお過ごしくださいませ。

澤田酒造株式会社 6代目 澤田 薫

*誠に心苦しいのですが、各種コスト上昇に伴い10月1日より価格改定を実施させていただきます。ご理解のほどお願い申し上げます。

 

 

「第3回ハクロウこども夏まつり」ハクロウ歴史紙芝居上演の様子

 


 

Vol.63

 

「今年の日本は史上最も暑い夏になる恐れ」

6月の半ば頃このニュースを読み、来る暑さに怯えていましたが、梅雨が明けたとたん、予想通り猛烈な暑さとなっております。(書いているのは7月21日)

昨年は酷暑と渇水がイネの育ちに影響し、割れたりお米が溶けにくく、お酒になりにくい状況でした。収穫量は平均的なのに品質が良くない。しかし全くの不作でお米がとれないということではないのが、現代農業の進化しているところなのでしょうか?

進化といえば先日、蔵直売所「澤田北倉」がオープン。
そしてテイスティングルーム『さかふね』もオープンいたしました。

『さかふね』は有料試飲などを土曜日中心に行いますが、今からもっと提供できることを増やすために日々計画中でございます。

そしてイチオシなのは、私達がお酒の仕込に使っている水を誰でも気軽に汲むことができる施設『新水(しんず)』ができたこと。とてもやさしい超軟水。お米を炊いても、コーヒーを淹れても、お茶にも、お肌にもめちゃくちゃ良いお水です。
コイン式になっており、お店でお声掛けいただければコインをお渡しします。
お気軽にお申し付け下さい!
(その際にはぜひお酒もお買い求めお願いします!)

 

 


 

その四十五
明治時代の知多酒8
 「第二回全国酒屋大会開催前に…」

 

明治24年6月名古屋で第二回大會が開催され、以後の全国的な組合活動の礎となり、さらに翌26年6月「全国酒造家聯合會」として確立していく。と書くと順調に推移したように感じられるが、それぞれの地域の事情や考え方によって「舌端火を吐く討論に沸きかへり…、幸いにして互譲団結、円満収集を見た(酒造組合沿革史)」と言えるかどうか、第一回は大変な論議が繰り返されました。

話し合われた内容は一言でいうと会議の在り方など基本的な組織をどうするか、そして議題は税率軽減、不当に安い自家製造の酒の対策についてであったが、例えば税率軽減についても主要産地の灘、そして知多が冷淡であったことから全国の酒造家から非難の言葉を投げつけられている。
これら議事進行は「中央会沿革史」に詳しく、今も日本のどこかで見られることなのであまり日本人は変わっていないと思ってしまいます。

開催地についても決して名古屋が順当に選ばれたわけではなかった。
第二回大会をどこで開催するかについて栃木の小堀、神奈川の山田、埼玉の小山は東京開催を唱え、特に小堀は頑として主張を曲げようとしなかったため、知多の稲生は「口を嚙みて一時の唖を学べるごとく五人の(委員の)顔を見つめて居りし」状態で、何時になっても決まらなかったためついに抽選で決することになった。

最初にくじを小堀が引いたところ名古屋と出て一同唖然としたものであったという。

かくして第二回が名古屋で開催されることになったのであるが、5月5日、招請状が全国各地に出され、来る6月10日午前10時から名古屋市門前町西別院内で開催される旨が伝えられた。

紆余曲折の経過をたどったものの、この大会にかける期待も大いに高まり、酒造業界にとどまらず一般の経済界の注目も集めている。
こうして前評判の高かった中で名古屋大会が開催されるのであるが、豊醸組も熱心に取り組んでいて、豊醸組報告第68号からこれらについて次号で述べたい。

 

 

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