白老酒季113号
□薫風 〜社長便り〜
□HIDE AWAY 〜酒蔵お婿さん通信〜
□会長だより
明治時代の知多酒2「明治時代初期の情勢」
□イベント情報
Vol.38「第1回 知多のガストロノミーを楽しむ会 盛会御礼」
東海地方も10年ぶりの早い梅雨入りとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
澤田酒造では、いよいよ6月1日より梅の仕込みを開始いたしました。
気になる梅の生育具合ですが、今年は若干早めに生育している中、台風が来るなどして、農家さんをヤキモキさせています。また、今年から、知多地区内で佐布里梅の数量を確保する為、知多のJAさんにもお世話になることになりました。
佐布里地区の新海さんの畑には、バスケットボールの髙田真希さんのクラウドファンディングにより、スロープが設置されました。これにより、安全で効率の良い収穫作業が可能となったので農家さんには大変喜ばれています。
今年も美味しい梅酒と梅シロップが出来上がるように心を込めて、仕込んで参りますので出来上がりをどうぞ楽しみにしていてくださいね!
(白老梅ヌーボー2023の予約も7月より開始いたします!発売は9月21日です。)
さて、先月末には、当社で、「第1回知多のガストロノミーを楽しむ会」というイベントを開催いたしました。
白老の酒粕を餌に与えている、知多牛、知多豚、名古屋コーチンの生産者をはじめとし、農家、魚屋、塩屋、パン屋、ビール醸造家、シェフという、8人の食のプロフェッショナルに集まってもらい、トークショーとお食事会のイベントを企画いたしました。
お客様も大いに盛り上がり、知多半島の地域や食の魅力を伝えるまたとない機会となりました。今後も地域で協力してこのような活動を継続していきたいと思います。
今回のトークショーに登壇いただいた知多牛工房牛小屋さん、こにし養豚さん、あさひファームさんのお肉と白老のお酒のセットの新しいカタログを本号に同封しております。オンラインショップでも購入できます。ぜひ夏のご贈答に検討くださいませ。。
白老の酒粕を食べて健康に育ったこだわりの牛、豚、鶏とお酒のペアリングは味で間違いなくおすすめです。
また、夏の贈答品といたしまして、全国新酒鑑評会出品記念の「大吟醸 嘉永元年」も発売いたしました。
大切な方への感謝の気持ちをお酒に込めて、ぜひご検討くださいませ。
その他、本号では、夏におすすめの「夏の純米吟醸うすにごり生酒」「辛口特別純米酒ハゼラベル」・飲み比べが楽しい「白老 五百万石 特別純米 無濾過生原酒」をご紹介しています。
毎年大人気のうめしろっぷのご予約もスタートいたします。
今年も暑い夏がやってきそうですが、体調を整えて毎日美味しく楽しく日本酒が飲めるといいなと願っています。
澤田酒造株式会社 6代目 澤田 薫
追伸
会長だよりには、豊醸組ができる前の明治初期の酒税を取り巻く社会背景が説明されています。
現代に続く酒税のベースとなる黎明期、かつ朝ドラにも描かれている酒造家に負担が大きくのしかかった時代… 豊醸組誕生まではまだ3回くらい続きます!
これを読めばマニアックな知多酒ファンになれます(笑)。
Vol.57
私は子供の頃からラジオが好き(AM)。
なぜラジオが好きかというと「共感・共有・共振・共鳴」をあこがれの方々と分かち合い、近くに感じることができるから。
中高生の頃は明石家さんまさんやダウンタウンはじめ今では大御所となった芸人やアーティストが出演する「ヤングタウン」という夜の番組にネタはがきを友達と争うように投稿していました。(ハガキ職人)
大人になっても、音楽と同様にずっとAMラジオ番組は聴き続け、この中部地方でも、つぼイノリオさんや北野誠さん(中学生のころ初めてハガキを読んで貰った)の番組も聴いていました。
ここ9年ハマりにハマって聴いていたのがTBSラジオ「赤江珠緒たまむすび」。
リアルタイムで聴けないのでラジオアプリで毎日チェックする日々。偶然リアルタイムで聴けて、メールを送っても超人気番組なので投稿が採用されることはなく、諦めてサイレントリスナーとなっていました。(過去一回ラジオネームは読まれたのですが、個人的にそれは採用と考えていない)
司会のフリーアナウンサー赤江珠緒さんは私と同郷、播州地方出身で同世代。関西の放送局にいたときからのファン。
赤江さんの良い所は、とにかく気取らないところで面白い時には「キャッキャ!」や「うふふ」よりも「ワッハッハ!」と豪快に笑います。
失敗しても「3秒前は過去」と切り返し、時には怒って、泣いて、人間味の溢れる素敵な方。曜日パートナーとの相性も抜群でトークのリズム感も心地よい。
そんな彼女の番組リスナーも熱心で投稿のレベルが非常に高く、どこを切り取っても、いつから聴いても面白い。
辛い時には癒され、聴くと元気になる、私の生活をしっかりサポートしてくれる番組でしたが、赤江さんがお子様との時間を優先させるために人気絶頂の今年3月に11年もの番組に幕を下ろしました。
そんな赤江さんやパートナーを番組終了までに自分の投稿で笑わすことが出来たら恩返しになるなと思い、久しぶりに投稿したところ、見事に採用。パートナーの博多大吉さんに読んでもらい、赤江さんに爆笑してもらいました。(3月22日放送分) 聴いて思わず叫んで、何回も繰り返してしまいました!
子供の頃から真剣にラジオを聴いて、はがきやメールを送った集大成がこの瞬間に…。
ありがとう、たまむすび。過去最高のラジオ番組でした。
白老もたまむすびのように、気取らず、愛してくれる皆様のそばにずっと寄り添うお酒を造り続けたいと思います。
その三十九 明治時代の知多酒2「明治時代初期の情勢」
半田の酒組合「豊醸組」について、二回目は当時の社会的な背景について少し書いてみます。
昔歴史で習ったように明治に入り新政府は旧来の封建制を打ち破る政策を掲げて実行していきます。
廃藩置県、身分制度の撤廃、地租改正、近代産業の育成などですが、そのためには何より金が必要です。
入るを量る新しい税制度の確立が急務で、その中で重要な財源として酒に着目して、明治4年酒株制度を廃止したことは前回書きました。
酒造組合中央会沿革史によれば
「明暦3年に濫觴して以来約三百年間、特殊な権益を付与されていた『酒株』は廃止となり、各自家宝として連綿秘蔵してきた『酒株鑑札』は大蔵省税司より改めて交付された「免許鑑札」と引き換えに政府の回収するところとなった」
とあります。
それまで酒屋の製造数量は半永久的に決められていて、その年の全国の米の穫れ具合によって元高の二分の一造り令、三分の一造り令などで変化していたものが、各々の業者が製造見込みを立てて各府県知事に願い出れば、その年の米の取れ高に見合って勘案のうえ、適宜の生産高を許す仕組みになりました。
これは新政府の封建的身分制度の廃止、職業の自由という理念に立ったもので、名字の開放、漁場の開放などと相前後して出されたものです。
しかし、それまでの特権が失われ、免許料と税金さえ払えばだれでも自由に酒造が営めるということを意味していて、例えば天保~嘉永の頃まで150を数えた名古屋では、特権的な独占が崩れ、尾張藩主の庇護奨励がなくなったこと、他の産地との競争も相まって14年には業者数は52まで激減しています。
明治8年には本格的な酒類税則が制定され、今までの鑑札免許料を廃止して免許税を営業税と改め、酒造種類も清酒、味醂、焼酎、白酒、銘酒に細分化してそれぞれにつき10円を課し、また新たに酒類売捌代金の十分の一の醸造税がかけられました。
この結果、醸造税は倍にアップし、明治4年の営業免許料は無効、新たに1,000円を納めなければならなくなりました。
このあと11年には再び大幅な制度の変更があり、増税が加速化していきます。
次回にはそのあたりと酒造業への影響を書いてみます。
関連記事
イベント情報
◆日本酒フェア2023(東京・池袋)
日時:6月16日(金)〜17日(土)
第1部 6/16(金) 18:00~20:00
第2部 6/17(土) 10:00~12:00
第3部 6/17(土) 13:00~15:00
第4部 6/17(土) 16:00~18:00
各部完全予約制
※第1部と第2部は当社社長が会場におります。
会 場:池袋サンシャインシティ
関東エリアの皆さま、ぜひお出かけください!
◆SAKAE SAKE SQUARE 2023
~サカエ サケ スクエア 2023~
日時:7月15日(土)~7月17日(月・祝)
11:00~20:00 ※最終日は19:00まで
会場:オアシス21 銀河の広場 特設会場(名古屋市・栄)
愛知・岐阜の蔵元が一堂に集まる試飲イベント。
昨年より規模を拡大しての開催です。白老は15日(土)に出店します。
◆夏休みスペシャル企画
ハクロウこども夏まつり仕込み水無料開放&子ども向け縁日
(ファミリー向け・子供向け)
日時:7月22日(土)13:00~17:00
会場:澤田酒造株式会社場内
入場無料
7月22日(土)直営店も17時まで営業します。
試飲もできます。また、7月は限定の呑み切りセットを販売しています!
内容
● 仕込み水の無料開放(タンク等の容器をご持参ください)
● つめた~い 湧水で納涼(足水・プール・ミスト)
● 懐かしの駄菓子屋さん(協力:みんなの縁がわさん)販売
● 酒粕豚こに豚のフランクの販売(小西さん)
● 白老仕込み水のかき氷の試食(川久さんの白老氷)
● こども向けアトラクション 水風船、スーパーボールすくいなど予定
※本企画の対象は主に子供さんです。大人の方は直売所にお越しください。
◆ハクロウ 秋の蔵まつり vol.6
日時:9月2日(土)〜3日(日)10:00~16:00
※時間変更になることもあります
会場:澤田酒造株式会社場内
発酵マルシェ、日本酒味くらべ、発酵料理講座など 今年も盛りだくさんで開催予定です。
詳細は8月上旬頃ご案内いたします。お楽しみに!