「蔵元が毎日飲みたい味」を目指して造るとこうなりますという1本が「白老 夢吟香 純米吟醸」。
ほんのりフルーティーな吟醸香とほどよい旨みのバランスが良く、飲み飽きしないお酒です。
やや辛口タイプで食事との相性も良く、様々な食材と合わせられます。
「夢吟香」というのは愛知県の農業総合試験場で2010年に開発された、まだ比較的新しい酒米です。
母親品種を山田錦、父親品種を若水として開発され、耐倒伏性、耐病性が強化されています。
弊社では、蔵からほど近い圃場で契約農家さんに減農薬栽培をしていただいています。
晩生種で、ちょうど今頃が田植えの時期となります。
田植えを終えたばかりの夢吟香圃場。酒米農家の土居佐吉さんが管理してくださっています。
この夢吟香の純米吟醸。
香り穏やかでバランスが良く毎年好評をいただいておりますが、決して派手なお酒ではありません。
蔵元が毎日飲みたいお酒をイメージして造っているため、旨いけど強い印象には残りにくいのかと思っております。
それが今年、
「今までにないくらい仕上がりが良い。これまでで一番美味しい。」
といろんなお客様から評価をいただいております。
狙い通りの仕上がりになったので、それを理解していただけたということで蔵元としては大変嬉しい限りです。
しかし、舞い上がってしまいたい気持ちをグッと抑えて、冷静に今年の造りで工夫したところなど整理してみました。
【麹の造りわけ】
新しい麹室での造りに慣れてきました。
今年は麹の造りわけを昨年以上に厳密に行っています。
麹室は4つの部屋にわかれており、酒質に合わせて使う部屋を変えています。
今年は吟醸用の特別な部屋で麹造りを行い、特に「枯らし」をしっかり行いました。
その結果、麹米が溶けにくく雑味の少ないお酒になりました。
【粕歩合】
粕歩合というのは絞った後に残る酒粕の割合です。
弊社定番の「純米吟醸 白老」は粕歩合が33%程度ですが、この「白老 夢吟香 純米吟醸」の粕歩合は39.4%。
しっかり「枯らし」たことによって、狙い通り「粕」がたくさん出ました。
その結果としてきれいな酒質になりました。
今年は粕もたくさん売ることができました。
狙い通りのお酒に仕上がり、自信を持ってオススメできる商品になっております。
ほんのりフルーティできれいな酒質でありながら、程よいコクと酸味。
日本酒度+4と辛口スペック。
冷やして夏のお酒としても最適です。