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常滑の地酒「白老」のポテンシャルを最大限に引き出す、常滑焼作家による酒器「ささらけ」6月8日より販売開始します。

常滑といえば平安時代末期から現在まで脈々と生産が続く焼き物の産地。
「日本六古窯」のひとつとして日本遺産に認定されています。
古くは良質な粘土を生かして甕などの大物が生産され、江戸時代後期には急須づくりが発展。さらに明治期になると、土管やタイルといった建築資材や衛生陶器などの工業製品が製造されるようになり、窯業は常滑の発展を支える基幹産業に成長していきました。
白老はそんな背景の中で地元に愛されてきたお酒。
職人たちの労働を癒やす日常酒としての特徴が形成されていきました。

現在でもその特徴が色濃く残る「濃醇旨口」のお酒を基調として造りながら、地元で栽培される山田錦の特徴を活かした旨いけれどキレイな味わいのお酒や、無農薬無肥料の自然栽培のお米を使用したお酒など多様で個性豊かなお酒を造り続けています。

この度、世界唎酒師コンクール3位入賞の実績を持つプロテイスター「田中順子氏」の監修による、常滑の地酒「白老」の特徴を最大限に味わうための酒器「ささらけ」を開発いたしました。
協力いただいたのは、これまた実績の豊富な常滑焼の人気作家4名。
それぞれのお酒の個性をどのように活かすか議論を重ね、素材・形状・大きさ・質感を検討し、完成にいたりました。
田中順子氏の解説を聴きながらの試飲会は大好評。

参加いただいた皆様に「白老」の新たな顔を体験いただくことができました。

新商品「ささらけ」。
常滑焼の酒器四種揃えを販売開始いたします。
酒器によるお酒の味わいの違い、常滑のお酒を常滑の土で味わう、驚くような技で作られた一点ものの酒器、ぜひお試しください。

蔵元直営店では体験もしていただけますので、お気軽にご来店ください。

 

 


ささらけ(常滑焼の酒器四種揃え)

酒器四種類 化粧箱入り 24,200円(税込)

 

 

ささらけ特設サイトはこちら

 

 

花露(はなつゆ)
 
白老の最高級純米大吟醸「知多の花露」とのペアリングは、世界で活躍する常滑焼のアート作家「加藤真美氏」の作品、「花露」。
香りの高い「知多の花露」を楽しむため、上に向かって口が窄まり香りを閉じ込める形状。香りの高いお酒の質を変えないために、内面には釉薬を施してあります。加藤真美氏オリジナルの釉薬により、エメラルドブルーの発色がとても鮮やかな仕上がり。リム(飲み口)を限りなく薄くし、下に向かって重心を作ってあるため手にしっくりなじみ、起き上がりがスムーズ。適量が口に流入するような設計になっています。
 
貝殻を添えて焼く(貝焼きという技法)ことで、一つひとつ異なる貝の模様が吸着。独特の味わいになっています。
 
 
リムの薄さはすっきりキレを感じさせ「知多の花露」の個性が際立ちます。まさに冷たいお酒を飲むための酒器。わずかに外側に広がった口元は下唇の上に乗った時にとてもおさまりが良くできています。
 
薄く面取りした部分はわずかに光を通し、飲み終えた後の楽しさも味わえます。
 
 
加藤真美
各国美術館に作品が収蔵されている世界的作家だが、使い手に寄り添う事を忘れず、満たされる可能性としての器を追求。世界各地でワークショップや講義、展示などをおこない、海外にもファンの多いアーチスト。
時代を代表する陶芸家に推薦され、パラミタ陶芸大賞展(2024年6月7日〜7月11日)に出展中。
 
 
 
 
からから
 
辛口好きのための日常酒、白老の人気商品「からから」とのペアリングは、職人としての技術の高さをもちながら、伝統工芸展でも活躍する「竹内孝一郎氏」の作品、「からから」。
濃醇かつ辛口でサラッと飲める白老らしさ満点「からから」の特徴を活かすため、上部に向かって開放的に口径の広がる形状になっています。そのため一度に口に入る流量も多めで、スッと切れるニュアンスも感じられます。
古常滑といわれる常滑焼古来使われてきた山土を使用。土の粗さを感じられる素朴さが特徴。それでいてリム(飲み口)は非常に薄く作られており、さらりと飲みたい「からから」に最適な仕上がりになっています。粗めの土を使ってこの薄さに仕上げるのは至難の技。竹内孝一郎氏の技量の高さを感じられる酒器です。
古常滑特有の粗さを表現できる山土は、竹内氏にしか出せない唯一無二の質感を生み出しています。
木灰を使用した灰釉でコーティングされた中面。煌めくビードロはお酒が入った時にキラキラして見えます。
 
竹内孝一郎
父である竹内公明より伝統的常滑焼、灰釉の技術を継承。沖縄で独自に腕を磨き、土の質感を生かす深みある作風を確立。大物を作る技術や大量の焼き物をバラツキなく精緻につくる技術は国内でも希少。

 

 

若水(わかみず)
 
地元で低農薬栽培された酒米「若水」を使用した濃醇旨口の白老らしさあふれる特別純米酒とのペアリングは、若手でありながら、常滑クラシックともいえる王道の朱泥を使用した清水小北條氏の作品。
急須で高い評価を受ける「朱泥」。お茶の世界では、朱泥の急須で注ぐと、苦み成分が吸着されて非常にまろやかになるとされ、重宝されています。常滑らしい王道のスタイルに合わせるのは、白老のテロワール「白老 特別純米酒」。風土を感じられる仕上がりになっています。
常滑の田土をブレンドせずに掘ってきたまま使用。釉薬を使わずに焼き締め、常滑らしい質感となっています。多孔質の仕上がりが、インパクトのあるお酒の味わいをまろやかにしてくれます。育つ器。長く使うことで質感の変化が楽しめます。
高台のないデザインがスタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。朱泥による落ち着いた朱色と、ろくろ筋を活かした質感が、ザ・常滑を感じさせます。
 
清水小北條
常滑で代々急須作りをする家系で育つ。良質な北條陶房の田土を織りなし、奥行きのある縞模様と土の表情を魅せる作家。急須を中心に作陶活動。あえて主張は控えめでありながら普遍的な美しさをもつ作風。

 

 

 

豊醸(ほうじょう)
 
シナモンやナッツを感じさせる古酒ならではの練れた複雑な香りをもつ純米吟醸熟成酒「豊醸」。ペアリングは、余韻を楽しめる、遊び心あふれる「谷川仁氏」の作品、「豊醸」。
180年ほど前に確立された常滑焼を象徴する技法の一つ「藻掛け」。「豊醸」は現在の第一人者である谷川仁氏による作品。谷川氏自ら知多半島の海で採取した海藻を使用し作陶。海藻の塩分に反応してできた緋色の模様が一つとして同じもののない、独特の面白さを感じさせます。釉薬を使わない焼き物は、使えば使うほど表面の質感が変化していきます。まさに育てる楽しみのある酒器です。
アマモを巻いてつくる藻掛けの技法。海藻が溶けて黄色くガラス質になるため金糸焼きといわれたこともあるそうです。
純米吟醸熟成酒「豊醸」のとろみのあるリッチな味わいを楽しめる酒器。お酒が琥珀色をしているため白泥を使い、色も楽しめます。
飲み口は山あり谷あり。毎日あるいは一口ずつ使う場所を変える面白さも感じていただけます。
 
谷川仁
自ら採取した知多の海藻で唯一無二の模様を残す、藻掛け技法は定番の代表作。熟練された技術に遊び心のバランスが魅力。元日展作家で、アート性の高い作品から職人技術の必要な急須まで、多様な作品を作り続けている。