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はじめに
〜秋の蔵まつりのご案内〜

 

9月に開催する「白老 秋の蔵まつり」は、愛知や知多の「醸造と発酵」をテーマにしたイベントです。
2017年に第1回を実施、コロナで開催できなかった年を経て今年で6回目になります。
季節の日本酒味くらべ(有料試飲)、発酵料理講座、発酵マルシェなど盛りだくさんの企画でお待ちしております。
熱燗DJつけたろうさんも来場されます!
お楽しみに。
詳細こちら

 


知多の食品が江戸の食文化を形成した歴史

 

発酵を利用してつくられたのが醸造品。
知多半島は歴史的に醸造品製造が盛んな地域です。

知多半島では古墳時代から土器製塩という手法で製塩が行われていたことが遺跡の存在から確認されています。
塩を使って食物を保存でき、さらにそこに乳酸菌などの菌の作用で旨みが加わる発酵の技術の蓄積につながったとも言われています。

それが大きく発達したのは江戸時代中期。ちょうど幕藩体制が整ってきた頃のことです。
新しく開かれた江戸に必要だったのが食料。
江戸の発展に伴い、その人口を養うための食材や調味料が大量に必要になったのです。
尾張藩の政策もあり、海運に有利な知多で酒造りが奨励され、廻船で大量に江戸まで運ばれました。尾張藩といえば徳川御三家の筆頭格。規制の多い中、政治的な後押しも受け、江戸時代後期から明治にかけて知多半島は一時灘に次ぐ国内2位の酒の産地に成長しました。

大量に出る酒粕から酢を作って江戸に運び、江戸前寿司の大流行をつくり、大きく成長したのはミツカンさんです。
美浜や常滑、三河の吉良には塩田が広がり塩が運ばれました。三河には八丁味噌もありました。
船で運ぶことができたこと、尾張藩の力と政策、上方に比べ江戸に近かったこと、様々な要因で知多の食品が大量に運ばれ、江戸の食文化を形成し、江戸の味覚の原点になっていきました。

 

 


知多、愛知の豊かな食文化を守る醸造品製造の担い手と共に

 

豊かな発酵文化が根付いた知多半島をはじめとした愛知県。
アミノ酸が多く旨みが強いものが多いのが特徴です。
大豆からつくる味噌と溜まり醤油、そして酒粕から造られる粕酢もが旨みが強い。
発酵デザイナー小倉ヒラクさんの言葉を借りれば、「愛知は旨みの首都」と表現されています。

現在は大手メーカーさんの商品が増え、全国的に画一的な調味料になってきていますが、昔は食卓にあるのは溜まり醤油が中心だったように思います。

また昔に比べれば軒数も少なくなりましたが、手造りにこだわり高い品質を誇る製造者が今でも優れた商品を造り続けています。
酒・酢・溜醤油・味噌・味醂など醸造できるものはほとんどありますし、美浜では塩もつくられています。


そしてそれぞれ旨みの強いのが特徴です。


旨みの強い豆味噌。そのままでも美味しく、味噌おでんや煮物、汁物と煮込み料理に向いています。濃厚なたまり醤油をつかった干物や、小女子や茎わかめの佃煮、きゃらぶきなども伝統的な食文化です。
これらに寄り添うのが、白老のお米の旨みのいきた濃醇なお酒です。
こだわりの料理酒として販売している「おおごっつぉ」は、余計なものが何も入っていない飲んでも美味しい純米酒で、少量の使用でも素材の味を引き立てます。

ユネスコにも登録された「和食」を支えるのはこれらの基本調味料。
秋の蔵まつりは、伝統的な製法を守り続けている醸造品の製造者の皆さんのご協力のもと開催しています。
豊かな発酵の食文化を、次の世代につなげていけるようにするのも、私たちの重要な役割だと思っています。

 

9月2日(土)と3日(日)は、ハクロウ秋の蔵まつり。

皆様お誘い合わせの上、ぜひお越しください!