天邪鬼なお話…
私が中学生の頃、関西の少年少女たちに超絶的人気だったのは東京に本格進出する前のダウンタウンをはじめ、大阪二丁目劇場に出演する芸人さん達。彼らの人気は絶対的で夕方4時に毎日生放送される番組を見たいがために部活を辞める人も多くて、夜のラジオにもクラスの仲間で競ってネタハガキを投稿したり。私も毎日の様にハガキを書いて、授業中もネタ帳とにらめっこしていたので全く内容が入ってこない日々を過ごしておりました。今、ネタ帳が発見されると、のたうち回って気絶するほどの恥ずかしい内容だと思いますが、その中から運よく投稿が読まれ、もらったステッカーやパスケースを友達に見せびらかしたものです。

彼らの人気が出れば出る程、自分の中で別のものを探し出し夢中になっていく性分で、今では役者としてビックネームになった方々が駆け出し時代に出ていたコント番組にハマったのです。それが関西小劇場ブームで今度は演劇にも夢中になっていきます。しかし、人前で何かをすることは好きでも(バンドも) あまりにも自分に才能がないのに気づいていた私は、華やかな舞台を踏む、芸人さんや役者さんたちの裏方の仕事にあこがれを持っていました。漫才でもコントでも演劇でも、素晴らしい才能を高次元に高めるためには裏方さんがあってこそ。売れた人たちは本人の努力や鍛錬はもちろんある上で、裏方さんとのチームワークをひしひしと感じ、こういう仕事がしたいとずっと考えておりました。

今もこの考えは白老での仕事に反映されていると思います。食があって酒があり、各地域文化があって地酒があり、酒造りも農家さんがあって酒の造り手がある。今現代の流行りの日本酒は「食中酒」とキーワードがあっても単体で輝く主役的なものが多くあります。白老のお酒はどうか?きっと裏方に徹しているお酒だと私は考えます。派手さはないお酒ですが、お料理にも人にもやさしく寄り添うお酒。

令和元年醸造もいよいよスタート致しました。今年も寄り添うお酒を醸します。ご期待下さい!

澤田英敏/兵庫県姫路市出身。ヘヴィメタルとパンクロックをこよなく愛する婿です。