Vol.37「第34回酒蔵開放にご来場いただき誠にありがとうございました」
柔らかく温かい春の陽射しが嬉しい季節となりました。これからは、気候も良くお出かけもしやすくなりますね。
おかげさまで、先月には「新酒を楽しむ会」および「第34回酒蔵開放」を無事に開催することができました。酒蔵開放は、実に3年ぶりの復活開催でしたが、想像以上に多くの方にご来場いただきました。また、当日来られなくても、三越栄店での販売会やオンラインショップをご利用いただいた皆様も沢山いらっしゃいます。あらためてこの場を借りて御礼申し上げます。
当日会場では、「酒蔵開放が復活して本当に良かった」ですとか、「また来年も開催してほしい」という声をたくさんいただきました。仕込み期間中の準備は本当に大変で、スタッフも連日遅くまで残って準備しているのですが、こういう言葉を聞けたり、お客様の笑顔をたくさん見られたりすると、苦労も吹き飛び開催して良かったと心から思えます。 ただ、やはり3年ぶりだったことで、うっかりすることも多く、混雑や不手際も多々あったかと思いますので、申し訳ございませんでした。それらの点はしっかりと反省して、次年度以降に改善していけるよう努力いたします。これから先も毎年酒蔵開放を続け、皆さまにお会いできればと思いますのでぜひ応援のほどお願い申し上げます。
さて、今号では、続々と登場する春のおすすめの新酒などをご紹介しております。地元産酒米「夢吟香」の純米吟醸生酒や、広島県産の千本錦純米吟醸の生酒、自然栽培米の酒などおすすめの生酒が目白押しです。脳の活性化や認知機能の向上も期待される「酒粕」もまだまだございます。ぜひ健康増進にお役立てください。
そして、少し早めの告知ですが、おうちで仕込む白老梅も予約がスタートいたします。初めての方も、毎年恒例の方も、ぜひお申し込みください。
酒造りも最後の搾りを終えて、いよいよ火入れなどを残すのみ。今年も無事にお酒造りができましたことを感謝いたします。
新企画として、5月に「知多のガストロノミーを楽しむ会」を行います。酒粕育ちのお肉や知多の海や野菜をお酒とともに楽しむ、お食事会です。詳しくは、イベント欄をご覧くださいませ。
春は出会いと別れの季節ですが、日本酒が皆様の幸せのきっかけづくりになれたら嬉しいです。今号もぜひじっくりとご覧くださいませ。
澤田酒造株式会社 6代目 澤田 薫
Vol.56
ずっと音楽のことばかり考えて生きてきました。という出だしで、何回かこのコラムの出だしを書かせて頂きました。今回はTシャツのお話。
私は一年中、好きなバンドが販売するTシャツ(ツアーの時に作成するもの。通称バンT)を着用しています。二年前はこの辺りをテレビで取材をして貰うことにもなったのですが、一日一枚づつ着用しても同じシャツを着ることがないくらいなので、365枚以上は持っているということです。
常人では考えられない、ありえない数なのですが、購入するのには理由があります。
サブスク全盛時代、かなり有名なグループでも音源を売るだけでは生活もできません。(一再生で1円も満たない額しか入ってこない…)
音源を発売するとライヴをするためにツアーをするのですが、ツアーをするのにも大変な経費が掛かります。そこでグッズを販売することにより、ファンの目の前で演奏するための経費を捻出することが出来るのです。そして次の音源の作成の費用にも当てられたりもします。
好きなバンドの活動を支援するためには、グッズを購入するのには一番効果的な応援活動となります。(同じ趣味の友達も出来やすいですしね)
ここ最近、一部で古着ブームが再燃しておりまして、80年代~90年代のモノにとんでもない値段がついていたり(Tシャツで一枚10万円以上…)、現行のバンドでも転売目的に購入する方がいて、フリマアプリでは3倍ぐらいの値段がつけられて販売もしています…(バンドよりも利益を出すのはあり得ない(怒))などなど書きたいことは尽きませんが小難しい事は置いておいて、音楽だけではなくすべての創作、表現活動、生産活動を応援する為にも、推しにお金を落としましょう!それでみんなが幸せになるのです!
‥‥と長々と言い訳を書きましたが許してくれませんよね…(涙)
あふれかえるシャツの山、当然肩身が狭い…。
皆様も白老への推し活をどうか宜しくお願い致します。
なんといってもTシャツと違い、飲んだらなくなるので、私のように肩身の狭い思いは比較的少ないと思いますので(笑)
その三十八
2月の25日、26日の酒蔵開放開催にあたり、寒風吹きさらす中お越しいただきました皆様、本当にありがとうございました。コロナの第八波が沈静に向かいつつあるとはいえ、まだまだ油断できない中、危険を顧みず多くの方にご来場いただき本当に感謝しています。
今年で34回を迎えた酒蔵開放ですが、最初は昭和62年ごろだったように思います(いい加減ですみません)。日本酒自身がビールやウイスキーに続いてワインや焼酎(これはもうちょっと後)に席巻されるだけでなく、町の酒屋さんがディスカウンター(今や死語ですね)などの価格破壊に直面して廃業が加速し始めた時期でした。まだスーパーさんは政策的に特殊なリターナブル500mL詰の商品に取扱いが限られ、酒類販売免許取得要件に近隣の免許業者との距離基準(どんなに小さな酒屋さんであろうと何百メートルか離れていないと免許は下りない)や人口割基準など酒税法の堤防で守られていた時代です。しかし、従来からの流通がまもなく激変することは明らかでした(なお、現在もまだ取得要件は存在しますが、最近は人的要件が重視されているようです)。自社のお酒を販売してくれる小売店が減り、大手スーパーに小さな地酒メーカーが相手にされないとなると売り先がなくなるのは自明の理、大変悩みました。
そんな中で唯一の生残り策は、消費者に白老の酒造りを知っていただくことだと考えました。もうほとんど残っていない古来からの伝統的製法で酒を造ることに共感を覚えて頂く方が、これからの当社のお客様だと思ったからです。その後、多くの方々に支えて頂き、酒蔵開放の日には土砂降りの雨の中も、大雪もものともせずにお越しいただいた方々に本当に心から感謝申し上げます。
二年間のブランク中で、皆様のおかげでわが社が存在しているという感謝の念が薄れていないか、わたし自身いろいろ不手際や手抜きが多かった今回、反省いたしております。