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この文を書いている7月末現在、吉本興業の話題が沸騰していますが、たまには時期ネタで。
ずいぶん前のことですが、酒造組合の勉強会で吉本興業の木村常務(当時)の話を聞きました。横山やすし、西川きよしのマネージャーを務め、長らく低迷していた吉本新喜劇を再生させた中興の祖ともいうべき話題の人で印象的な話でした。開口一番、やすしさんがあっちに行って(逝って?)頂き本当に安心しました!と言われて驚きましたが、どれだけ留置場に行って警察に頭を下げてもらい受けしたかわからない、という苦労話を聞くとなるほどと思いました。一方、彼ほどの天才はいなかった、と限りなく才能を惜しんでおられました。

ここからが本題ですが、低迷から脱するために、劇場の興行システムを改めるなどの方策をとるとともに、時代に合わせたしっかりした経営基盤を築くため、芸人にも意識改革を求めたところ、ずいぶん反発があったそうです。その先頭に立ったのが人気の花紀京で、中途半端に妥協することなく首にしてしまったとのこと。芸能を情の世界からビジネスの世界に転身させたということでしょう。あれから二十数年、吉本も随分メジャーになりましたが、時代に遅れた矛盾が今回の騒動の元なのかもしれません。

これを機に改革がなされていくと思いますが、吉本に限らずどんな組織も時代に即して自己改革しないと未来はないということなのでしょう。 

澤田 研一