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『趣味のお話』
私は子供の頃から人気があるものに対して興味が持てない天邪鬼な性格でしたが歳を重ねるにつれて「流行りとは何ぞや?」ということを考え、それを踏まえた上で自分の欲しいものをセレクトするようになってきました。

先日、友人からあるルアーをプレゼントしてもらいました。メディアでも釣具屋さんでも「兎に角、釣れる!」ということで、店頭に並ぶと瞬時に売り切れ、そしてフリマアプリ等では安くても定価の2.5倍の値段が付く激レアもの。今だ、天邪鬼な私は「転売屋とメディアが煽ってるだけでしょ」と思い使わずに飾っていました。ある日、早朝3時間だけ釣りに行った日の事です。全く釣れない。何をしても無反応。タイムアップまであと一時間。貴重な釣行なのに…焦りは積もるばかり、イライラも最高潮。そこで何気なく、そのルアーが目に留まり、「使ってやろうか、お手並み拝見」なんて性格が悪いことを思いながら投げてみたところ、2投目でグットサイズが釣れたのです。あまりの衝撃に手足が震えてもまだ認めきれない私。その後、そのルアーを投げ続けてトータル4匹をゲット。完全に私の負け。「神ルアーやな、これは流行るわ…」と友人に謝罪のメールを送信しました。

流行りは様々な条件がかみ合ったときに爆発します。しかし現在ではあっという間に廃れてしまいます。ブーム仕掛人が多い世の中ですが、ブームになったモノを少しずつ軌道修正して、だれでも楽しめ、手に取れるように新しい価値観を長い時間をかけて定番にするなら大歓迎。私の使ったルアーも毎年同じものをリリースするわけでなくカラーリングを変えたりしながら少しずつ変化をしています。(需要と供給問題、だれでも手に入ると熱は冷めるのだろうな…実力あるのに)

白老は偉大なる先人が大きな志を持って当時は斬新な技術(乳酸連醸法) を用いて酒造りを行っていました。それが今やスタンダードな製法になりました。流行りも過去も単純に否定しないで、柔軟に自分たちらしくありたい。白老はそんな酒造りができていると考えています。表面上はどうかはさておき、すべてのお酒に一本筋が通った共通項を是非感じてみて下さい。

澤田英敏/兵庫県姫路市出身。ヘヴィメタルとパンクロックをこよなく愛する婿です。