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遅ればせながら新春のお慶びを申し上げます。
どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

この度の火災に際し、皆様に多大なご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げますとともに、お心のこもったお見舞いを頂戴しありがたく深く感謝申し上げます。
本来皆様お一人お一人にお礼を申し上げるべきところですが、所要に取り紛れてできておりませんことをお許しください。
特に、義援金口座にお振込み頂いた方のご氏名を当方では特定できないため、お礼をお伝えできず頭を痛めております。
この場をお借りして深く深く感謝申し上げます。

出火したところが「麹室」でしたが、昔から「一麹、二酛、三造り」と言われるほど酒造りの最重要工程の部屋なので、その意味でも皆様のご心配をいただきました。
酵母に関しては家付き酵母が大切な役割を果たしており、継続性が問われますが、麹に関しては毎シーズン終了後密閉して完全に消毒をしてしまいますので、新たな室(むろ)に替えたからと言って酒質が変わることはありませんのでご安心ください(ウナギのたれとは違います)。
言ってみれば種もみを購入して稲を作るようなものだとお考え下さい。
どんな種籾を使うかはとても重要ですが、育て方もそれに劣らず重要なのと一緒で、製麹方法に各蔵の考え方が反映されます。
まさに杜氏の腕の見せ所であり、みだりに人に見せることはありません。
そんなトップシークレットの製麹を快く引き受けていただいた四蔵に言葉では言い表せない感謝を致しております。

これから情報を集めながら麹室の設計に取り掛かり、夏には完成させたいと考えています。

どうかかわらぬご愛顧をお願い申し上げます。

澤田 研一