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4.部材の作成

 十分に乾燥した木材を、まず、予定の寸法より少し余裕を見て切り落とします。部材は、桶底と桶の側板、それらをまとめる竹くぎに分かれます。

 まず、側板は「せん」という両方にもち手のついた刃物でアールを出していきますが、今は電気ガンナにアールをつけた刃をつけて削り、「かま」という道具(定規)を当てながら寸法を出していきます 。今回は残念ながら、この部分の撮影が、時間が無くてできませんでしたが、後のページの「組み立て」のところで少し紹介できるのではないかと思います。

 ところで、桶の設計図というのは実はありません。当方から依頼するのは、米をこれだけ入れて蒸したいという容量を伝えるだけで、大雑把な寸法しか指定しないのが普通です。(実はこれが今回後々混乱の原因になるのですが)

 おおむね甑の縦横の比率は決まっていますので、容量が分かれば底板の直径つまり内径と高さが出てきます。ところが、今回は、従来依頼する側がほとんど考慮しなかった要素、すなわち少しでも米堀りの作業が楽になるようにしたい、熱さを少しでも和らげるとともに、米を持ち上げる高さを低くしたいという要求を出しました。つまり、従来のものに比較して、直径の割に高さが低い「ずんぐり型」にして欲しいというものです。どのくらいの縦横比にするか、当方のミスで十分に伝えられなかったため、途中で桶底の直径を大きくすることになりました。そのために出来上がっていた桶底をばらしたうえ、もう一枚板を追加して真中に入れることになりました。直径が大きくなったので、必然的に側板も足らなくなり、タガに使う竹の長さも不足することになってしまったのです。

 底板の作製は、厚さ2寸5分の柾目板を並べて板と板を竹くぎで接合します。もちろん鉄を嫌う酒の道具ですから、鉄くぎはご法度、接着剤も使いません。

 次に桶底の直径にあわせて丸く線をひきます。

普通なら真丸だと思われますが楕円にします。何年も使い込むうちに木質がやせてくると、木の上下方向はほとんど縮みませんが、横方向は収縮率が高く縮んでしまうために、丁度よくなるように横方向を大きくしてあるのです。 

写真では分かりにくいかもしれませんが、スミが2本ついていて、今回は片側3センチメートルづつ大きくしてあります。その線に従って切断しますが、真横から見ると逆台形に切っていく結構手間のかかる作業です。


出来上がった側板


側板をとめる竹くぎの作成

 


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