ずっと名古屋のパンクロックシーンを支え続けていた大須のレコードショップ「ANSWER」さんが23年の歴史に幕を閉じられました。

アンサーさんに初めて行ったのは約20年前、名古屋で行われるLIVEを観に兵庫県から遠征した時。訪れたらアナログレコードの棚、CDの棚をAからZまで血眼になって欲しい音源をバッグがパンパンになるくらいたんまり入手しておりました。私は成人になっても人見知りで、しかも憧れのレコードショップの店長さんに話を掛けられるはずもなく、購入して逃げるように帰ったものです。その後は1年に一度の訪問が続きましたが、私が愛知県に転職し結婚、白老に入り、月1ペースで訪問していたある日、お店にあるドリンクを冷やしていた冷蔵庫にあった日本酒を見つけ、思い切って「日本酒お好きなのですか?」と話しかけたのです。

実は店長の中村さんは大の日本酒好き。しかも勉強もしっかりされている方でした。そこからめちゃくちゃ仲良くなり、一緒に飲みに行ったりする仲になりました。こんな繋がりができるのも日本酒のおかげ。酒縁に感謝しかないです。

本雑や雑誌、LPやCD、BDやDVDなどの紙媒体、音楽、映像のソフトがデジタル配信に押され厳しい時代になりました。それをひとくくりに時代で終わらせたくないのも本音にあります。

フィジカルリリース(音楽用語で音源が収録された物質) されたモノはデータと違い、探しまくってようやく入手できた時の喜び、ワクワクしながらアートワークを1ページづつめくる感覚、インクのにおい。現代ではいらないのでしょうね。かさばるし。無駄。でも無駄は豊かさの象徴だと思っています。

日本酒に置き換えてみても、まったく飲まない方からすると同じ。無くても生きていける。だからこそ、人の心に何ミクロンでも良いから残る何かを追求しモノづくりを続けていきたい。どんな世界も多様化している中では「売れる=良いもの」が成立しなくなっています。そしてブームという消費(飽き) も早い。だからブームに乗ることに恐怖すら感じます。白老はどのお酒も濃醇な味わい。だからこそ存在感があるもの、良くも悪くも記憶に残ってもらえる味を追求したいと考えています。

「音楽は役にたたない。役に立たないから素晴らしい。役に立たないものが存在できない世界は恐ろしい」
坂本慎太郎 タワーレコードの広告より
中村さん、サオさん、今まで本当にお疲れ様でした。

澤田英敏/兵庫県姫路市出身。ヘヴィメタルとパンクロックをこよなく愛する婿です。